「つかさ栗原、薄着じゃね?」

「え?」


妙に恥ずかしそうな様子でそう伝えてきた隼人の言葉に、私はここでようやく自分の格好に気がつく。


とっさに下を見ると、今自分が着ていたのは半袖のトップスに、タオル地のショートパンツ。


「あ……」

「……」


その瞬間、思わず自分の顔がカァーッと赤くなった。


お風呂上がり、急いで外出てきちゃったから部屋着のままだった。


「ご、ごめん急いでて。今ちゃんとしたの着てくる…」

「いや、ワリっ違う!むしろ俺は嬉しいけど、ただ目のやり場に困るっつーか」

「え?」

「あ"」


引き止められ思わず振り向いた私に、隼人が「しまった」というような表情を浮かべる。


しばらく私がジッと見上げていると、
隼人はなぜか観念したように、首の後ろを手でさすったんだ。


「…いいよ、そのままで。栗原の顔見たかっただけだから」


目をそらしたままそう言って、「ん」と何やら私に向かって両腕を左右に広げてみせた隼人。


それが「おいで」だというアピールだと分かった瞬間


私は一目散にして駆け出すと、そのまま隼人の胸に飛び込んだ。