「………」









スキ。



――好き?



「って、えぇっ!?」



次の瞬間、私は隼人にしがみついていた手をバッ!と離してしまった。


そして2~3歩、ダダダと後ずさりまでしてしまった私に

隼人が空いた腕で赤くなった顔を押さえる。


「いや、んな驚く…?」

「お、驚くも何も。だって…そんなの隼人、私に今まで1度も言ったことないじゃん!」

「い、言えるかそんなの」


あまりの驚きで、私はパクパクと開いてしまう口を両手で覆った。


うそ

うそ…


本当に?



だって隼人は……



「他に好きな子いるんじゃなかったの?」

「は?」

「だって私見たんだよ。“好きな子がいるから”って、隼人が告白断ってるの」

「いや。だからそれ、栗原のことなんだけど」


さも当たり前のように言われて、私は点になった目が戻らない。