そんな私の頭を撫でるように、隼人の手が髪に触れた。


「ごめん。毎日会いに行くって言ったのに約束破って」

「……」

「会ったらまた栗原を泣かせんじゃないかって行けなかった」


隼人の言葉に、私は首を横にふる。

そして今も隼人の腕にしがみついたまま、もう片方の手で自分の腕に触れたんだ。


「隼人。私、吉川先生とは本当に、何もないよ」

「うん、分かってる。ただ俺があいつに嫉妬してた」

「……?」


嫉妬…?


なぜ隼人が吉川先生に嫉妬するのか、疑問に思った私はジッと上目遣いで見つめる。


そんな私に、隼人は一瞬タジタジになった表情を見せたかと思うと

すぐにその顔をそらして、こう言ったんだ。



「俺は栗原の事が、好きだから」