TEARS【~君色涙~】

「あれ?優衣ちゃんじゃん。3週間ずっと俺の事避けまくるから、もう帰ったのかと思ったよ」


でもそこに入ってきたのは吉川先生で

私は急いで涙をふく。


「どしたの一人で泣いちゃって。こないだのサッカー少年とケンカでもした?」

「……」

「あ、図星?」


とっさに睨んだ私を見て、吉川先生が含んだ表情をしながら近づいてきた。


「…で、俺と付き合うかは考えといてくれた?」

「吉川先生とは付き合いません」

「なんで?いいじゃん、付き合おうよ」

「吉川先生は、私の事本気じゃないですよね。女の子になら、誰にでもそういうこと言って…」

「いや本気本気。超本気」


そう言って私を見下ろしてくる吉川先生の目は、笑っていなかった。

吉川先生の手が、私の肩に触れる。


「!や、やめてください」

「んな怖がんなくたっていいじゃん。つかさ、この後どう?良い所に連れてってやるからさ」


このとき肩を乱暴に掴まれて、私はとっさに目を押しつぶる。


真っ暗になった視界の中で、後ろから声がした。



「栗原!」