TEARS【~君色涙~】

それから数日が過ぎても、隼人が私に会いに来てくれることはなかった。

朝、今日はもしかしたらと期待しては
放課後肩を落として帰る1日を繰り返し…



5月に入って気づけばもう3週間。

今日で教育実習を終える吉川先生に、クラスの皆が手紙や色紙を渡している。

その様子を、私はどこか他人事のような目で見ていた。



せめて隼人の元気な姿だけでも見たいと思い
放課後、教室に残ってサッカー部の様子を覗いてみるものの、今日は休みなのか校庭には誰も居なかった。


隼人
本当にもう帰っちゃったんだね

隼人が来てくれるの、ずっと待ってたんだよ……。



「……ぐすっ」


嫌われてしまった。


私の事なんてもう、どうでもよくなっちゃったんだ……。


隼人を想い、静かに泣いていると、
扉が開いて誰かが入ってきた。