TEARS【~君色涙~】

「何であいつに下の名前で呼ばせてんの」

「……」

「仮にも向こうは教育実習生だろ。なに個人的に仲良くなってんだよ?」


隼人、もしかして怒ってる……?


足を止めた今も、私からは背を向けたままでその表情は伺い知れない。

でもその口調は明らかに怒っていた。


初めて見る様子に戸惑いを隠せずにいると、隼人がどこか絞り出すような声で聞いてきた。


「…あいつと付き合うのか?」

「!」

「あいつと、付き合うんだろ」

「!まさか、そんなわけ」


ない、と答える声と同時に

振り向いた隼人がいきなり私の腕をつかんだ。