TEARS【~君色涙~】

「は、隼人……なんで」


驚いてガタッ!と立ち上がる。

そしてすぐさま走って近寄り、顔色を伺い知ろうとするものの、隼人は目を伏せたままで。


一人うろたえる私に、吉川先生が名前を呼んできた。


「優衣ちゃん」

「!」

「実習最終日までに考えといてよ。俺と付き合うか」


吉川先生のその言葉に、隼人は何も言わず教室を出て行ってしまった。

そのあとを、私は慌てて追いかける。


「待って隼人…!」


どこか急ぎ足で歩いていく隼人のあとを、私は必死で追いかける。

いつもなら私の歩幅に合わせてくれるのに、今は少しも緩めてくれなくて


「……っ」


とっさに足がつまづき床へ転びかけそうになった時、ようやく隼人の足が止まった。