TEARS【~君色涙~】

あ、まただ…


そう思ったのもつかの間
近づいてきた吉川先生は腕を組むなり、私の書いていたノートを上から覗きこんできた。


「優衣ちゃんさ、それ昨日もやってなかった?」


優衣ちゃん…

その呼ばれ方に違和感を覚えながらも、ひとまず返事をする。


「…あ、はい。仲の良い友達が昨日と今日休んでて」

「へぇ、それでノート取ってあげてんの?優しいじゃん」

「……」

「いいね、俺そういうのグッと来るタイプ」



さりげなく耳元で囁いてきた先生の言葉に、私は握っていたシャーペンを置いた。