TEARS【~君色涙~】

そのあとの1限目。

吉川先生は、昨日の会話が嘘みたいにただ淡々と器用に授業をこなしていた。

たまに先生が軽いジョークを入れたりして、クラスに笑いが起きる。

まさかそんな吉川先生が実は平気で生徒に可愛い、とかちゃん付けで呼んでしまうような軽い先生だなんて、
周りの皆は夢にも思わないだろう。


私だって信じられない…。


それもあってか、
妙に凝視してしまっていたら不意に「栗原さん」と呼ばれ、何度か問題を当てられてしまった。





そして今日も1日ユカリは学校を休んでいた。

風邪が長引いているみたい。

明日には学校に来れそうだとラインが来ていたけど…


だから放課後、私は今日も教室に残って、休んでるユカリのためにノートをまとめていたんだ。


するとしばらくして、ガラッと扉が開いたかと思うと吉川先生が教室に入ってきた。