TEARS【~君色涙~】

「あ」


思わず変な声が出てしまった。


どうしよ…
もしかしてこれ、帰ったほうがいいのかな

まだ今日初めて会ったばかりの吉川先生と二人きり…。


内心気まずく思っていたところに
荷物を取りに来た様子の吉川先生が近づいて話しかけてきた。



「君、名前なんて言うの?」

「あ、栗原優衣って言います」

「優衣ちゃんか。可愛いね」

「!?」

「名前が」


あ、名前が……


つい勘違いしてしまった自分にカァーッと熱くなる。


そのまま一人顔を赤らめていると、吉川先生が笑った。