TEARS【~君色涙~】

は、隼人せんぱい……?


「は?俺?」

「はい。いきなり声かけてすみません。こないだサッカー部の試合で隼人先輩のこと見てからずっと気になってました。あの、私のこと覚えていませんか?」

「…え、いや、ごめん悪いけど。覚えてない」

「そうですか……」






ちょちょちょ、待って何この会話


てか、私ここに居ちゃまずいんじゃあ……!?


突然目の前で繰り広げだした、まるで青春の1ページかと思うような光景に

とっさに自分だけ場違いな気がしていると、ふいに女の子が私の顔をチラ…、と伺ってきた。



「…あの、もしかして隣にいる人は、彼女さんですか?」


!?

か、彼女!?


違う違うと言わんばかりに
慌てて首も手も横に振る私。


「…いや、違うけど」

「なら良かった。じゃあこれ受け取ってください」


そう言って、女の子が隼人に差し出したのは手紙。