【完】狂犬チワワ的彼氏



「…拓海くん…?」



拓海くんと目が合った瞬間、思わず胸の奥が大きな音を立てる。

外は、雨はもうすっかり止んでいて…綺麗な虹がかかっているのが視界に入った。

でもそんな虹からあたしはすぐに目を逸らすと、また目の前の拓海くんを見遣る。



「なん、で?」

「…」

「ってか、拓海くんで合ってる…よね?」



あたしがぎこちなくそう聞くと、拓海くんが頷いた。



「合ってるよ」

「!」

「っつか、今日は…ごめん」

「え、」

「三つ子のこととか、いろいろ隠してて」



拓海くんはそう言って、右手で自身の頭を掻く。

でもそう言われた途端に、あたしの中でまたショックな思いが蘇って…。



「…その話は、もういいよ」



そう言って、拓海くんから目を背けた。



「よくよく考えたら、あり得ない話だったんだよね。

あんなに人気者の木塚拓海くんが、簡単にあたしと付き合ってくれるなんて。

…それくらいもっと最初から、気づけてたらよかったのに」



そしたら今みたいに、ショック受けなくて済んだのにね。


あたしはそう言うと、綺麗な虹を眺めながら切なく微笑んでため息を吐いた。