家に帰って来た時は誰も居なかったリビングの電気が、ついていることに気がついた。
誰だろ…お兄ちゃんかな?
そう思いながらリビングの扉を開けると、そこにいたのはやっぱりお兄ちゃんで。
お兄ちゃんはスーツ姿にビールを片手にしながら、あたしに気がつくと言った。
「…おー妃由、居たのか」
「お兄ちゃんこそ」
「俺は今帰って来たトコ。でもまた出るけどな」
そう言うと、ビールをぐっと飲み干す。
…やっぱ、部屋に戻ろうかな。(お兄ちゃんは酔うとキス魔になるから)
あたしがそう思って少し後ずさりをしたら、その瞬間それを引き留めるようにお兄ちゃんが言った。
「…あっ!お前さ、」
「?」
「そういえば、外で彼氏?が待ってんぞ」
「…え」
「さっき玄関のドアの前に居てさ、暗い顔してたから思わず声かけたら、そいつ、お前の彼氏だっつーから」
「!!」
「俺はお前がまだ帰って来てないと思っていないって言ったけど…。居たんなら行けば?」
そいつ、お前が帰って来るまで外で待ってるって言ってたぞ。
お兄ちゃんはあたしにそう告げると、あたしの頭をグシャっと撫でてリビングを後にした。

