「…!」
その時ふいに、携帯に着信がかかってきた。
少し大きめの音にビックリして肩を震わせると、その画面に映る名前を見てあたしは思わず固まる。
…拓海くんだ。
でも、まさか拓海くんから着信がかかってくるなんて思ってもみなかったあたしは、出ようかどうするか…一瞬戸惑う。
少しの期待を持って、出ようかなって思うけど…
「……」
…やっぱ、やめた。
今は、拓海くんと何かを話す勇気は無い。
あたしはそう思うと、着信を拒否して電源を切った。
でも、
ピンポーン
「!」
携帯の電源を切ると、今度は玄関でチャイムが鳴った。
だけど、あたしはそれにも出ない 。
ただ、コワイ。
拓海くんかな?わからないけど。
お願い、帰って。
あたしはそう思いながら、また聞こえてくるインターホンを拒否するように耳を塞いだ。
…窓の外は、雨が降り始めている。

