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妃由 side
走って駅を出ると、あたしはそのまま家に帰った。
泣きながら走ったから途中ですれ違う人達に少しビックリされたけど、今のあたしにはそんなことはどうでもよくて。
拓海くんが、あたしのことをそこまで好きじゃないのはわかっていたけど、
実際にこの時が来てしまうと、予想以上にショックは大きい。
あたしは階段を駆け上がって自分の部屋に入ると、ベッドに突っ伏して独りで泣いた。
「…~っ、」
ひどい。
ひどいひどいひどいひどいひどい。
拓海くんは、あたしを騙していたんだ。
あたしが幸せに思っている間、きっと心の中であざ笑って…。
本当は好きじゃないのに、浮かれているあたしを見て拓海くんは酷いことを思っていたに違いない。
…最低。
あたしはそう思うと、家の中にあたし以外誰もいないのを良いことに、声を上げて泣いた。
好きだったぶんショックは大きいけど、でも、あんなに暴言を吐かれていたのに自分がこんなに泣けるのも意外すぎる。
っ~………拓海くん、
しかし、そう思って泣いていると…

