「え、」
…兄貴…?
「俺達兄弟の中で、長男の“智輝”って奴がいるんだけど。
俺がお前から告白をされてフッた時点で、その智輝が言ったんだよ。
龍也に、“お前が妃由ちゃんの告白をOKして来いって」
「!!」
「もともと俺達は、通ってる学校もバラバラだからたまに入れ替わ って龍也や智輝の学校に通ったりもしてた。
それを使って龍也がお前に言ったんだよ、“俺と付き合え”って。
だから…お前と付き合いたいって思っていたのは、俺じゃない」
智輝だよ。
拓海くんはそう言うと、ただ立ち尽くしているだけのあたしから気まずく目を逸らした。
…何…?
つまり、拓海くんを好きなのはあたしだけど。
一方の拓海くんはあたしのことを好きなわけじゃなくて。
あたしを気になっているのはその智輝くん…?
じゃあ、拓海くんは最初からずっ と…
「…ごめん、妃由」
「…~っ、」
あたしと付き合う気は全く無かったの?
あたしは拓海くんの言葉を聞くと 、思わず泣きそうになって…目が潤んで下を向いた。
拓海くんは謝ってくれるけど…そのゴメンがあたしにとって虚しいだけ。
ヒドイよ…嬉しかったのに。
「木塚くんと付き合える」って、幸せだったのに。

