【完】狂犬チワワ的彼氏



そして、ドテッと何とも鈍い音を立てて地面に尻餅をつく。


…イタタ…。

何すんの!


そう思いつつ、キッと顔を上げても、そこにはもうさっきの男の人の姿はいなくなっていて。

他の人達がホームに向かうなか、キョロキョロと辺りを見回すと…あたしは重大なことに気がついた。


…木塚くんが、いない。

もしや…はぐれた?


あたしはそれに気がつくと、急いでそこから立ち上がる。

どこに向かうのかすら知らないあたしは、木塚くんについていくしかなかったのに。

人混みのせいか、木塚くんの姿は全く見えない。



「き、木塚くんっ…!」



…もう、何で待っててくんないの。

彼女を置いて先に行っちゃうなんて。


あたしはそう思いながら、かすかに目に涙を浮かべて木塚くんに携帯で電話をかけてみる。



「…~っ、」



………でも、何度かけてもどれくらい待っても、木塚くんは電話に出ない。


きーづーかーくーん……、


しかし、そう思いながら半ばヤケクソになっていると…



「おい」

「!」