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妃由 side
…───数日後。
約束の日、当日。
あたしは何も知らずに、浮かれ気分で木塚くんとの待ち合わせ場所に向かう。
目指すは、いつもの駅。
午前中の駅は人がいっぱいで、改札前に到着するとそこには木塚くんがあたしを待つ姿が見えた。
「!!木塚くんっ」
その姿に嬉しくなってあたしがそう呼ぶと、その声に気が付いた木塚くんが顔を上げてあたしを見る。
「…おせぇんだよ」
「ごめん、ごめん」
木塚くんはだいぶ待っていたのか不機嫌そうだけど……待ち合わせ時間ピッタシなのになぁ。
あたしが謝ると、木塚くんは「行くぞ」って改札を抜けた。
「…あれっ?木塚くんの友達は…」
「アイツらとは現地集合だから」
「ふーん、」
あたしの問いかけに木塚くんは背中を向けたままそう答えると、スタスタと独り先を急ぐ。
その言葉に、あたしも納得しつつ慌てて改札を抜ける。
「ちょ、木塚くん待っ…!」
「…、」
だけど木塚くんは歩くのが早すぎて、だんだん距離が開いてしまう。
しかもその途中、必死で木塚くんの背中を追っていると、先を急いでいる男の人がぶつかってきて、あたしは思わず体勢を崩した。
「!!ひゃっ、」

