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翌朝。


いつも通りに学校に行くと、あたしはトイレの鏡で懸命に髪を整えた。

あたしは黒髪ロングだから、髪は常に横に二つに結んでいる。



「…」



そして髪を整えた後、鏡に映る自分の顔を見つめて考えた。


…正直あたし、顔は悪くないと思う。

告白だって何度かされたことがあるし、ラブレターを貰ったことだってある。

でも、その相手は好みの人じゃなかったから全て断って、だから今まで彼氏が一度もいたことがない。


それにもっと頑張れば、木塚くんだって振り向いてくれても可笑しくないはずで…




そう考えていると、その時突然トイレの入り口のドアが開いて、同じクラスの女子に言われた。



「あっ、妃由!」

「…うん?」


「探したよ~、



あのね、木塚くんが呼んでた。今すぐ俺の教室に来いって」



「…え」



その女子はそう言うと、「確かに伝えたからね!」とまたトイレから出て行く。


は…ちょっと待ってよ。

木塚くんが!?


何で!?