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その後あたしは木塚くんに送ってもらって、無事にマンションにたどり着いた。
結局木塚くんがどうしてあたしを公園に呼び出したのは謎のままだったけど…
でも、それよりも気になるのは今日の木塚くんのあの態度だ。
…アレはどう考えたっておかしい。
もしかして、ドッペルゲンガー?
……いや、まさかね。
あたしは独りそう考えて吹き出すと、玄関に入って靴を脱ぐ。
けど…
「…!」
その時ふいに、見覚えのある黒い靴が視界に入った。
お兄ちゃんのだ。
あたしはそれに気が付くと、廊下に上がってリビングに向かいながら声をかける。
「お兄ちゃーん?」
そう言って、リビングに繋がるドアを開けると…
「!」
…居た。
スーツ姿でネクタイだけをほどいて、ソファーにうなだれているお兄ちゃんの姿が。
あたしはその姿を見ると、お兄ちゃんに近づきながら言った。
「お帰り。もう仕事終わったの?早いね」
「ん、」
「ってか、着替えてきなよ」
そう言って、呆れるようにお兄ちゃんを見る。
けど…

