【完】狂犬チワワ的彼氏



一瞬、何をされているのかわからなかったけれど、

あたしが固まっている隙に口の中にスポーツドリンクが流れ込んでくる。



「!!…ッ、」



口移しっ…!?


突然の行動にビックリして木塚くんの肩に手を添えるけど、その手もあっけなく掴まれてしまう。


…ただでさえファーストキスもまだだったのに、

そのファーストキスがいきなり口移しなんて…!



そして、かぁぁっと顔を熱くさせていると、やがて木塚くんが口を離して言った。



「…ヘタすぎ」

「!」



そう言って、掴んでいたあたしの手を離して顔を背ける。


でも、一方いきなり口移しをされたあたしは、しばらく固まったまま動けなくて。

更に熱くなっていく顔を、必死に抑えた。



「…~っ、」



あ、あり得ない。何で、口移しなんてっ…。


だけど…それと同時に、物凄く違和感を覚える。



…何か、



いつもの木塚くんじゃないみたい。