【完】狂犬チワワ的彼氏



「…何であたしが」



やっぱり納得がいかなくて、口を膨らませた。

だけど…そう言うけど、相手は木塚くんだし。

あんまり強く言えないから、大人しく従うしかない。



「…何がいいの?」



そしてあたしがそう問いかけると、木塚くんは「何でもいい」って呟くようにそう言った。


…普通にスポーツドリンクでいっか。




………


………



その後は大人しく自販機でペットボトルのスポーツドリンクを買うと、それを木塚くんに手渡した。

あたしも何か飲み物が欲しかったけれど、今日は元々直樹の家でゲームか宿題をする予定だったから、1円も持っていない。

あたしが木塚くんにジュースを渡すと、木塚くんは「サンキュー」って美味しそうにそれを飲み出した。


…これが少女漫画とかなら、彼氏が飲みかけのジュースを彼女に渡して、

彼女は「わーい、間接チューだ」なんてドキドキしながらそれを飲むんだろうに。



「…それ、美味しい?」

「ん、」



木塚くんは全っ然、そういうことが無い。


…あー、暑いよ~。


しかし、そう思っていたら…