【完】狂犬チワワ的彼氏



けど、あたしがそう言うと、直樹が即座に顔をあげてこっちを見た。



「!!…(はっ!?)」



そして、眉間にシワを寄せて手を止める直樹に構わずに、木塚くんの返事を待っていると木塚くんが言う。



『んじゃーお前、今すぐ××公園に来い』

「え、」

『2分以内に来ないと罰ゲームだかんな』

「えっは、えぇっ!?ちょっと…!」



木塚くんはそう言うと、あたしの返事を聞かずにすぐに電話を切った。



ツー ツー ツー ...



「…、」



…切れたしよ。


そしてあたしがため息交じりに携帯を閉じると、今の一部始終を見ていた直樹が言う。



「…え、何お前。何処か行くの?(っつか暇って何だよ)」

「うん。ごめん、直樹。木塚くんに呼ばれちゃって」

「嘘だろー。ゲームするって約束は?」

「それ、また今度。夏休みはまだ長いから。ね?」



そう言うと、直樹に向かって手を合わせる。

自分勝手すぎる行動だけど、さすがあたしの親友だ。

直樹はちゃんとわかってくれて…



「…わかったよ」



少し考えると、そう頷いた。