「仕方ねぇじゃん。揃えてるつもりなんかないのに勝手に揃ってんだから」
「え、三つ子とかだとホントにそんなことがあり得るんだ」
「しょっちゅうだよ」
拓海くんはそう言いながら、何かのシロップをグラスに注いで、それを柑橘系のジュースやソーダで割っている。
最近はわりと色んな種類のシロップを使ったジュースを作るのが趣味らしく、よくあたしにもそれを飲ませてくれるのだ。
そして今日も作ってくれていたらしく、出来上がると当たり前のようにあたしにくれた。
「わーいありがと!今日は何のジュース?」
「梅シロップ使ってみた」
「美味しそーっ」
ってことは、梅ソーダだ。
拓海くんが作ってくれるジュースって美味しくて、ついついおかわりもしたくなっちゃうんだよね。
そんなこと言うと「太るぞ」とか言われちゃうんだけど。
あたしがソファーに座って拓海くんとジュースを飲んでいると、向かいでゲームをしている龍也くんが言う。
「俺達のジュースはないんですか」
「ないよ。シロップ勿体無いだろ」
「…ケチですね」
そう言いながら、ゲーム機の画面からは一切目を離さない龍也くん。
…ジュース飲ませてくれるの、あたしだけなんだ!
そのことに少し嬉しさを感じていると、聞き捨てならないらしい智輝くんが言った。

