【完】狂犬チワワ的彼氏


「…だから、あんまジロジロ見んなって」

「え、ジロジロ見てないよ。キョロキョロしてただけだし」

「どっちも同じだろ。いいからこっち来てよ」


拓海くんはそう言いながら、あたしをベッドに座るよう促す。

その隣には先に拓海くんが座って、隣をぽんぽんするから。

あたしはなんだか照れて、言った。


「な、何してんの?拓海くん。ってかベッドに誘うなんてどういうつもり…あっ!まさか二人きりだからって変なこと考えて…!」

「ちげーよ!俺の部屋ソファーがないからここ座れっつってんだよ!っつか、変なこと考えてるのはお前の方だろ!」


拓海くんはそう言うと、完全に変なことを考えて身構えてしまったあたしに、「いいから座れ」と促す。

あたしはその拓海くんの言葉に少し…というかだいぶ恥ずかしさを感じながらも、黙って隣に座った。

…なんだか、二人だからって喜んでいたけど。

いざこうやって二人で並ぶと、やっぱりドキドキしちゃう。

だから何だか、龍也くんや智輝くんに早く帰ってきてほしい…なんてことを思ってしまって。

だけどあたしはその考えに勢いよく首を横に振ると、言った。


「…きょ、今日は天気がいいね」

「そだな」

「あー…っと、拓海くん何しよっか。ゲームでもあたしは大歓迎だよ」