【完】狂犬チワワ的彼氏

【おまけ③】




晴れた日の土曜日。

拓海くんの家に行くと、そこには拓海くん独りだけが待っていた。


「…あれ?龍也くんと智輝くんは?」


えらく家の中が静かだな。

そんなことを思いながら拓海くんにそう問いかけると、拓海くんは階段を上がりながら答える。


「アイツらは今日出掛けてる」

「あ、そうなんだ。どうりで、」


まぁ拓海くんとの時間を邪魔される心配もないし、ラッキーかな。ちょっと緊張するけど。

そんな会話を交わしながら、階段を上がった先にある3つのドアの前に立つと、拓海くんは真ん中のドアを開けた。


「わーい拓海くんの部屋!お邪魔しまぁすっ」

「はしゃぐのはいいけど、あんまジロジロ見んなよ、部屋ん中」

「わかってるよぉ」


拓海くんの部屋は、真ん中。両脇の部屋は龍也くんと智輝くんの部屋らしい。

あたしはそう頷いて口を少し膨らませながらも、ドアが開いた瞬間すぐにその中に入って、早速キョロキョロと辺りを見渡した。

別に拓海くんの部屋に入ったのは初めてじゃないんだけど、やっぱり何度入ってもワクワクしちゃうから。

拓海くんの好きなものとか、もっと知れるきっかけになるし!

そう思いながら色んなところを見ていると、その瞬間に拓海くんに両目を塞がれた。