【完】狂犬チワワ的彼氏


その答えにあたしがビックリしていると、智輝くんが言った。


「ああそうだよわりーかよ。っつか好きなんだからしょうがないだろ」

「…チーズケーキ好きなんだ」

「いや、チーズケーキが好きなんじゃなくて、お菓子作りが好きなんだよ」


智輝くんはそう言うと、「けど、お前の分はないからな」と、嫌みな言葉を付け加える。

その言葉にあたしが不貞腐れていたら…


「ただいまー」

「あ、拓海くん!」

「ごめん妃由。ちょっとコンビニ行ってた」


その時。

意外と早めに、拓海くんが帰って来た。

…よかった。忘れられてたらどうしようかと思ったよ…。

拓海くんのそんな姿にあたしが心から安堵していると、ふいに拓海くんが智輝くんを見て言った。


「っつかお前何作ってんの?」

「…チーズケーキ」

「ああなるほどね。…何の実験かと思った」


やっぱり、拓海くんもそう思うんだ。

二人の会話にあたしがちょっと笑っていると、ふいに智輝くんが顔を上げて、あたしに言った。


「あ、っつか妃由ってチーズ平気?」





【留守(智輝ver.)/おまけ②】





(……あたしの分はないんじゃなかったの?いや、貰えるなら喜んで食べるけど)
(っ、いやないない!やっぱないわ!)