【完】狂犬チワワ的彼氏



だけど木塚くんは、やっぱり何も言ってくれない。



「いいから早く来い!」

「…」



あたしはそんな言葉を聞くと、渋々木塚くんが立つ鏡の前の椅子に座った。


…何をするかくらい、教えてくれたっていいじゃん、ケチ。


しかしあたしがそう思って少し口を膨らませていると、木塚くんがふいにあたしの長い髪に触れながら言う。



「これ、誰がしたわけ?」



そう言って、あたしが家で一生懸命やった左右の編み込みに触れる。



「…自分でやった」

「へぇ」



あたしはそう言うと、「可愛くない?」って鏡に映る木塚くんに問いかけた。


でも…



「雑だな」

「えっ!?」



木塚くんはたった一言そう呟くと 、次の瞬間…

あたしが頑張ってやった編み込みを全てほどいた。



「ちょ、何するの!?

せっかく頑張ってやったのに…!」