ヤバイ、あたし…思えば、
さっき駅でえいとに触ってから、全然手を洗ってない。
そしてあたしがいきなりそう叫ぶと、智輝くんと拓海くんが少し不機嫌そうに言う。
「なーんだよもー」
「いきなし叫ぶなよ、うるさいだろ」
「っ、だ、だってだって…」
「…??」
わ、どっどうしよう…。どうしたら…
そんなふうにあたしが慌てていると、何も知らない拓海くんがあたしを呼ぶ。
「妃由ー」
「!!え、わっ…!」
そう言って近づいてくるから、あたしはビックリして拓海くんから離れて…
「っ、ち、近づかないで!」
「!…は、」
「拓海くん、あたしの半径2メートル以内に近づかないでくれる!?」
そう言って、後ずさりをした。
でもその瞬間、拓海くんはまた不機嫌そうに目を細めて、「何だよそれ」とあたしを見つめる。
うわ、言い方がマズかった!!
あたしがそう思って更に慌てていると、龍也くんがあたしに言う。
「妃由さん、ちょっと」
「!」
龍也くんはそう言って、あたしをこっそり洗面所に案内してくれた。

