【完】狂犬チワワ的彼氏




するとそこから、ツー、と頬に流れるあたしの血。

だけど理沙ちゃんはそれを見ても、顔色一つ変えなくて。

むしろ…



「ほら、早く答えないと…どんどん傷つけちゃうよ?」



なんてそう言って、楽しそうに笑う。



「…っ…」



…ダメだ。理沙ちゃんはもう、完全にあたしが知ってる理沙ちゃんじゃない。

今はもう、何を言っても通じない。


誰か助けて…誰か…!!



しかし、そう思っていると…





「っ…妃由!!」





その時やっと、階段の上から大好きな人の声がした。



…拓海くん…!