【完】狂犬チワワ的彼氏



そう言うと、あたしの目の前まで来て…あたしの目を、鋭く睨みつけた。

…後退っていたあたしの背中は、いつのまにか迫っていた後ろの壁に当たってしまって…もう逃げられない。

いや、ここで逃げちゃいけないんだけど。


あたしは理沙ちゃんの言葉を聞くと、また勇気をだして言う。



「い、いつから拓海くんは理沙ちゃんのものになったの!?」

「!」

「邪魔、してほしくないのは…あたしの方、だよ」

「…っ、」

「拓海くんは、今はフラれちゃってるけど、あたしの彼氏なの!り、理沙ちゃんこそ邪魔しないで!!」



あたしはそう言うと、思わず涙目で理沙ちゃんを睨み返す。

…一方の理沙ちゃんは……あたしがここまで言うとは思わなかったのだろう。

突如、自身の制服の胸ポケットに手を入れて、何かを取り出した。



…―――カッターナイフだ。