…あれ?
ここじゃないのか。
あたしは意外なそこを見渡すと、とりあえず一歩二歩…教室の奥へと進む。
拓海くんの鞄は、あるだろうか。
そう思って、教卓に貼ってある席順を見て、拓海くんの席に行くと…
「…これ、拓海くんのだ」
拓海くんの机には、まだ見覚えのある通学カバンがかけられてあった。
…教室じゃないなら、
どこにいるんだろう。
「ねぇ、拓っ…木塚くん見なかった?」
教室を出てからは、すれ違う生徒や先生にそう声をかけながら、あたしは拓海くんを探した。
たくさんの人に声をかけていけば、誰かしら一人は「見た」と言ってくれる人がいるだろう。
しかし…
「えー、帰ったんじゃないの?」
「!」
「木塚くんなら、終礼が終わった後すぐに教室から出てったよ。
日向さんと一緒に」
「!!…え、」
その後、いろんな人に聞いて回って…拓海くんと同じクラスの女子に話しかけると、
そんな情報を掴んでしまった。

