【完】狂犬チワワ的彼氏



…………


バタバタと走って街中を抜けると、しばらくしてようやく学校に到着した。

まだ部活をしている野球部やサッカー部を横目にあたしは校門を潜ると、早速生徒玄関まで走る。


そして、確認のために拓海くんのロッカーを開けると…



「!」



まだ、あった。

拓海くんの、通学用の外履きが。


龍也くん、ビンゴ!


あたしはその靴の存在にまず一安心すると、自分の内履きに履き替えて校内の奥に進んだ。



あたし達二年生の教室の位置は、3階。

あたしのクラスの教室は比較的階段から近いけれど、拓海くんのクラスは少し遠い。


普段とは違ってかなり静かな廊下を静かに歩くと、あたしはやっと拓海くんの教室の前に辿り着いた。



…ここに、いるのかな?

いると…いいな。



あたしはそう思うと、だんだん緊張してきて…独り深呼吸をする。

…来たはいいものの、もし「出ていけ」とか「帰れ」って言われちゃったらどうしよう。


そう思ったけれど…



「っ、拓海くん!」



その後そう言ってそのドアを開けると…


そこには、誰もいなかった。