そして、?になっているあたしに 顔を近付け、真正面で目を見つめながら言う。
「…妃由は、アレだな」
「??」
「マジで鈍感だし、何もわかって ないな」
そう言うと、勢いよくあたしから 目を背けてまたスタスタと歩き出す。
??……わかってない、って?
だけど一方のあたしは、そんな直樹の言葉の意味が全くわからなくて。
どういうこと?って聞こうとした ら、その時ふいにあたしの視界に…
「あーっ!!」
「!?」
「ね、アレ!直樹アレ見て!」
「…何だよ」
新発売の、ゲームソフトが目に飛び込んできた。
うそ、信じらんない!
え、もう発売してるんだ!
そう思いながらあたしがそのゲー ムソフトの元に駆け寄ると、直樹も後ろから近づいてきて言う。
「それ、俺もう買った。今度やりに俺ん家来れば?」
「うん、行く!絶対行く!」

