「っ、龍也くん!?何でここにいるの!?」
ってか、拓海くんは!?
あたしは目の前の龍也くんにビックリしてそう言うと、目を見開いて彼から離れる。
すると、そんなあたしの言葉を聞いて、龍也くんがめんどくさそうに言った。
「何でって…前にも言ったでしょう。俺達は代わり番こにそれぞれの学校に行ってるんです。
だから、今日は俺が拓海さんの学校に来る番だったんですよ」
「…だ、だからって…あたしと拓海くんが付き合いだしてからもそういうことをするとか…」
「それは関係ありません。妃由さんが拓海さんと付き合っているからと言って、誰もそれをやめるなんて一言も言ってませんから」
龍也くんはそう言うと、「それよりも、あの転校生なかなか来ないですね」って屋上の入口に目を遣る。
いやいや、話を逸らさないでよ!
「あたし、完全に騙されてた!まさか今日来てるのが龍也くんだなんて思わないし!
ってか龍也くんって、授業をサボったりとかするんだ!?凄い意外!」
「いえ、普段は滅多にサボりません。ただ、拓海さんの普段の行動に俺がわざと合わせただけです」
それに、今朝読んでいた漫画も。
そう言って、龍也くんは待ちきれなくなったのか先にお昼ご飯のコンビニのオニギリを取り出す。
「……」
あー、見破られなかった。
いや、これは仕方ないんだろうけど。
見分けがつかないあたしって、本当に彼女失格かもしれない。
……いや、だからって何があっても絶対別れないけど。

