そう言って、軽くため息を吐く。
……ん?
失格って、
「な、何で!?」
どうしたの、いきなり!
あたし何かした!?
あたしはそう言うと、突然のその言葉の理由を知りたくて、拓海くんの顔を覗き込む。
こんなに拓海くんのことが大好きなのに、彼女失格なんて納得がいかない。
そう思って拓海くんの返事を待っていると、拓海くんがあたしの顔を見遣って言った。
「“何で”?本当に気付いてないのか、」
「…??気付いてない、って…」
「……バカですね、貴女は」
「!!」
拓海くん(?)はそう言うと、あたしを見ながら意地悪く笑ったあと、ふいに視線を前に戻す。
…そして一方のあたしは、その口調でやっと全てに気がついた。
「まさか…!」
「……」
目の前の人は、拓海くんじゃない。
龍也くんだ。

