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妃由を黙って見送ったあと、俺はさっき読んでいた漫画を鞄に仕舞おうとした。
っつか、えっと…次の授業ってなんだっけか。
そう思って、教室に貼ってある時間割りに目を遣ると…
「…?」
ふいにすぐ傍から強い視線を感じた俺は、その方向に目を向けた。
…何だよ。
そう思いながら振り向くと、そこにはついさっきまで話していた……えっと、日向さん?がいて。
日向さんがあまりにも俺をじっと見つめてくるから、俺は少し妙に思いながらも小さく口を開いて言う。
……マズイ。気付かれた?
そんなはずは無いんだけどな。
「…えっと、何?」
「!」
俺がそう聞くと、日向さんは一瞬目をぱちくりさせて…
「っ、ううん!何でもない!」
そう言って、直ぐ様その場を後にした。
…?変な奴。

