そう言って、「あ、お前も一緒にサボりたかった?」なんて言葉を悪戯に付け加える。
「え?そっ、そりゃあ…」
…確かに、誰もいない屋上で、好きな人と授業をサボる…なんて、密かに憧れていたけどさ。
でも、あたしがそう思って思わず頷きかけたら、拓海くんが少し笑って言った。
「え、妃由授業とかサボれんの?意外だな」
そう言って、「真面目なのかそうじゃないのかわかんねぇよ」って優しく笑う。
…うー、その笑顔、悔しいけど可愛すぎる。
そう思いながらあたしが思わず顔がニヤけそうなのを抑えていたら、そんなあたし達2人の会話を聞いていた理沙ちゃんが、指を差しながら問いかけてきた。
「…あの、もしかして」
「?」
「2人、付き合ってるの?」
理沙ちゃんはそう聞くと、あたしと拓海くんを交互に指差しながら目を丸くする。
…あ、そっか。理沙ちゃん、知らないもんね。
あたしが「そうだよ」って頷こうとしたら、その時拓海くんがそれを遮るように言った。
「ん、そーだよ。こいつ、俺の彼女」
「!」

