【完】狂犬チワワ的彼氏


その時突然、後ろからそんな聞きなれた声に話しかけられた。


この声…拓海くん!?


まさか拓海くんが後ろにいるなんて思わなくて直ぐに振り向くと、そこには漫画を片手に立っている拓海くんがいて。



「な、何で拓海くんがここに(後ろに)いるの!?」



驚きのあまりあたしが目を丸くしてそう聞くと、呆れ顔の拓海くんが言う。



「いや、それ俺のセリフだし。お前こそこんなとこで何やってんの?」



後ろから見たらすげー怪しいぞ。


拓海くんはそう言うと、「俺に何か用?」って問いかける。



「え?えっと…」

「?」



いや、用事っていうか…ただ不安で会いたくなっただけなんだけど。

でも、それを正直に言うのもハズすぎる…。


あたしはそう思うと、咄嗟に不安なのを誤魔化そうとした。



けど、その時――…




「あ、木塚くん!」

「!」



あたしがウカウカしていると、突然少し離れた場所からある女子生徒が拓海くんを呼んで、傍に駆け寄ってきた。



「……あ」



…理沙ちゃんだ。