【完】狂犬チワワ的彼氏



…職員室?

やっぱり…転校生だ!


あたしはそう思って、気持ちが高ぶるのを抑えながらその人に言った。



「あぁ、職員室なら二階の……案内してあげる、」



こっち。


あたしはそう言うと、その人に軽く手招きをして、慣れた足取りで職員室に向かう。

口で説明するより、実際に連れて行ってあげた方が早いよね。

二階に繋がる階段を上ると、ふいに後ろを振り返ったらその人の顔色が何だか少し良くなくて、気になった。


大丈夫?

思わずそう声をかけかけたけれど…もしかしたら、緊張からかもしれない。

見た感じ、大人しそうなコだし。


あたしはそう思うと、緊張をほぐしてあげるためにその人に問いかけた。



「そう言えば、名前は?あなた転校生だよね。あたしは、牧野妃由」

「…日向理沙」

「理沙ちゃんか。かわいー名前だねっ」



…二文字の名前とか、何気に憧れる。

あたしはそう思って笑顔を浮かべると、ようやく二階に到着して長い廊下を進んだ。



そんなあたしの後ろ姿を、



理沙ちゃんが鋭い目付きで睨んでいるとは知らずに…。