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妃由 side
そして、翌日。
今日は、学校が休み。
今日から夏休みがスタートして、あたしは明日に備えて直樹と一緒にショッピングに出掛けていた。
「ねぇ、これはっ!?」
「…ん、」
「あと、これとか??」
「…うん、いいんじゃない?」
だけど直樹はさっきからずっと携帯ばかりを見ていて、
しかも適当な受け答えばっかりだしほとんどあたしを見ようとしない。
「ちょっと直樹、ちゃんと見てよ」
そんな直樹にあたしは口を膨らませてそう言うけど、直樹は携帯の画面に目を遣ったままあたしに言った。
「…っつか、何で俺がお前のデート服買うのに付き合わなきゃいけないんだよ」
そう言って、「独りで行けばいいだろ」と言葉を付け加える。
…だって、初デートだからいろいろ不安だし。
わからないことだらけなんだもん。
「…いいじゃん。親友でしょ?これくらい付き合ってよ」

