【完】狂犬チワワ的彼氏



「…じゃあ、」

「?」



慌てるあたしをよそに、拓海くんが冷静に言った。



「今度は妃由からして?」

「!」



拓海くんは一言そう言うと、あたしの返事を待たずに静かに目を閉じる。


…えぇ!?



「え、えっと…妃、あたしからってのはつまり、あたしが拓海くんにキスを…」



あまりに突然の言葉にあたしが戸惑っていると、拓海くんが目を閉じたままあたしに言う。



「早く~」

「!」



そう言って、眉間にシワを寄せる拓海くん。


え、ちょっと待って。

あたしにだって心の準備ってモンがあるんだってば。


あたしはそう思うと、静かに深呼吸をして…



「じゃ、じゃあいくよ」

「ん、」

「…、」



やがて心を落ち着かせると、拓海くんの肩に手を置いて、ゆっくりと顔を近づけた。



…キスまであと数センチ…



しかし…