「夏休み入ったら、デートしない?
ってか、デートして!!」
そう言うと、電話越しに目をぎゅっと瞑った。
だって、木塚くんの本当の気持ちがわからなくても、せっかくこうやって付き合えてるのは事実なわけだし。
だったら思い切り恋人っぽいこともしてみたい。
あたしがお願いすると、木塚くんが少し考えたあと言った。
『…別にいいけど』
「!!」
『何処に行くつもりだよ、』
「え?えーっと…」
木塚くんがそう言うのを聞くと、ぶっちゃけ何も考えていなかったあたしはどこに行こうかと考える。
…でも、なかなかコレといった場所が思いつかなくて。
それよりも木塚くんがあたしとデートをしてくれることが、何より嬉しい。
「ま、まぁ何処でもいいじゃん?
ってか…ねぇ、本当にデートしてくれるの!?」
『…あぁ、うん』
「やったぁーっ!!」
『…』
そしてあたしはその言葉に独りで喜ぶと、その後少しだけ木塚くんと話をしてやがて電話を切った。
…ふぅ、
「…やばい、人生初デート」
あたしはそう呟くと、自然と自分の顔が熱くなっていくのを感じる。
…早くデートの日にならないかな。

