【完】狂犬チワワ的彼氏



「!」


「あの、拓海くんが“あんま龍也と関わんな”って言ったの聞いて、正直酷いなって思っちゃってて…。

だから、拓海くんの言うこと聞かなくてごめんなさい。

けど、あたし…


それは、それだけはこれからも聞けないかもしれない」


「…は」


「だって、龍也くんは凄く良い人だよ。あたしは、龍也くんの一番の友達になるって約束したの」



あたしはそう言うと、ゆっくりと顔を上げて…また恐る恐る拓海くんを見遣る。

するとその時、眉間にシワを寄せた拓海くんと目が合って…



「お前、それは…」



拓海くんは何かを言いかけたけれど、あたしはわかってほしくてそれを遮った。



「きょ、兄弟でいろいろ嫌なことがあるのはわかるよ、うん!でもせめて、あたし自身の友達くらい、誰だって自由に選ばせてほしい」

「!」

「拓海くんのことは、世界一…いや、宇宙一大好きだから!理由とかわかんないけど、ほんっとうに…凄く凄く大好きだから!!」



あたしは半ば興奮気味にそう言うと、あまりにも一生懸命すぎて思わず椅子から立ち上がる。

そんなあたしの勢いに、拓海くんは少しビックリしていて…あたしはやがて我に返ると、顔を真っ赤にしてまた椅子に座った。



「…て…ってことだから。拓海くん、あたしを信じてよ。それに、龍也くんは大丈夫だから。絶対」



そしてそう言って、恥ずかしさにスカートの裾をぎゅっと握る。

…まずい。つい、必死になってしまった。

そう思ってあたしが俯いていると、やがて拓海くんが言った。



「…お前、恥ずかしい奴だな」

「え、」

「場所をわきまえろよ」