逃げる気か。まだ話は終わってないのに。
そう思って追いかけようとしたら、その瞬間タイミング悪くあたしの携帯が鳴って直樹から着信がかかってきた。
少しの間、出ようかどうしようか迷って…だけど結局今は出る勇気がなくて着信を拒否した。
そして、「逃がすまい」と再度智輝くんを追いかけようとするけれど…
「…っ、いない」
あたしが携帯を見ている間に、まんまと逃げられてしまった。
…くそぅ、直樹からの告白、拓海くんには内緒にしといてって言いたかったのに。
って、どっちにしろ今はそんなの無理か。
そう思ってため息を吐くと、あたしは独りになった公園で力なくベンチに座る。
そして、さっき自分が智輝くんに言った言葉を静かに思い返してみた。
…確かに、拓海くんに告白したのは生半可な気持ちじゃない。
すっごく勇気をだして、頑張って告白をしたんだ。
人の気持ちって、そんな簡単には変わらないと思うけどな。
あたしはそう思いながらも、さっき閉じたはずの携帯を、またポケットから取り出して開く。
引っ張りだしたのは、拓海くんの携帯。
そう。生半可な気持ちじゃないから。
だったら、勇気をだして拓海くんに謝らなきゃ。
あたしはそう思うと、大きく深呼吸をして…やっと拓海くんの携帯に電話をかけた。
ちょっと遅かったかな。
でも、何とか直接逢って話をしたい。

