【完】狂犬チワワ的彼氏



「それで龍也くん、そのコとは…?」



そしてそんな龍也くんにあたしがそう聞くと、龍也くんは少しうつ向いて言う。



「…話してない。っつか、嫌いになった」

「!」

「女なんてそんなモンだろ。顔さえ同じだったら別にいいんじゃね?ただ、俺がダメだっただけで」



何でか知らねぇけど。


龍也くんはそう言うと、力なく笑って見せる。


その笑顔が、凄く切ない。

あたしは、何て声をかければいいのかすらわからなくて。

心がいっぱいに、重たくなる。


……あたしが龍也くんの立場だったら、嫌だな。

その女の子の、拓海くんに「キモイ」とか言われた時の気持ちはわかるけど。


そう思っていたら、龍也くんがまた口を開いて言った。



「…そっから、周りとは普通に話せなくなった。ずっと敬語。

な?つまんねぇ話だろ?そんなことくらいで?って。でも、もう嫌なんだよ」



もう誰のことも信じない。


龍也くんはそう言うと、切なく微笑んでまた駅に向かって歩き出した。



でも…