すると龍也くんは、あたしのその言葉を聞いて、昔兄弟のなかで起こった出来事を話してくれた。
それは、龍也くんがまだ小学校高学年だった時の話。
当時はまだ兄弟三人は仲がよくて、いつも一緒に遊んでいたらしい。
でもその頃、龍也くんには同じクラスに好きな女の子がいて…
だけどその子は、拓海くんのことが好きだった。
するとそんな時、拓海くんや智輝くんに龍也くんの気持ちがバレてしまい、散々からかわれて「告れ」と言われた。
しかしそんな勇気はなく、2人の言葉を無視していたら、相手の女の子がある日「拓海くんに告白する」と言って…
その言葉通り、勇気を出して告白するも、結果は散々なものだったらしい。
拓海くんはその女の子に、「キモイ」だの「バカじゃねぇの?」などと言葉を容赦なく吐いたんだとか。
その心ない言葉に女の子が傷ついていたら、拓海くんは畳み掛けるように…
「それに、龍也がお前のこと好きだって言ってたぞ」
と、龍也くんの気持ちをストレートに言ってしまい、その日から龍也くんはその女の子に避けられるようになってしまった。
それでも何とかして話しかけようとしていたら、何日か経って今度は智輝くんが…
「龍也。俺があのコ(龍也の好きなコ)のこと貰ったから。ごめんな、」
なんて、凄く軽い口調でそう言って…女の子と付き合いだした。
智輝くんも、龍也くんの気持ちを知っているはずなのに。
「…だから、大ッキライなんだよ」
そして龍也くんは昔のことを話すと、最後にそう言い放った。

