だから、別に近づいても平気だと思う。
あたしはそう言うと、恐る恐る拓海くんを見遣る。
怒られる覚悟でそう言うと、拓海くんは一瞬だけ何故か…表情を曇らせた。
…?
そんな拓海くんに気づいてあたしが少し首を傾げると、拓海くんが小さくため息を吐いて言う。
「…はぁ、」
「…」
「もういい。好きにしろ」
「!」
「後で困ることになっても助けてやんねーからな」
そう言って、あたしに背を向けて人ごみの中に消えていく。
「ッ、拓海くん!!」
…うわ、やってしまった。
でも、本当にそう思ったんだもん。
拓海くん、冷たすぎるよ。
そう思いながらも、あたしはこのままじゃ嫌だから必死で拓海くんを追いかける。
行く途中で向かいから歩いてくる人たちにぶつかってしまいながらも、こっちかな…って追いかけて。
何より拓海くんは初めての彼氏だからか、わかんないことが多すぎる。
嫌われたくないって、ずっと仲良くしたいって思うのに…なんでこうなっちゃうんだろう。
そう思いつつその背中を追いかけると、あたしはやっと拓海くんらしき背中に追いついた。
「まっ…待って!」
しかし…

