拓海くんはそう問いかけると、頬杖をついてあたしを見つめてくる。
その視線や、思わぬ言葉にあたしはドキッとして…
「…だって、龍也くんが…」
思わず呟くように、昨日のことを言いかけた。
「ん?龍也?」
そして、そんなあたしを前にして、拓海くんが不思議そうにそう言って首を傾げる。
…でも、このことは言うわけにはいかないし。
思わず相談しかけちゃったけど、よくよく考えてみるとこれって拓海くんに言うのはマズイ気がする。
ここはありきたりな言葉で交わしておこう。
あたしはそう思うと、首を横に振って拓海くんに言った。
「ん、やっぱ何でもない」
「は、」
「大丈夫、クダラナイことだから」
「…」
そう言って、注文したオレンジジュースを飲む。
あたしがそう言うと拓海くんは納得のいかなそうな顔をしたけれど、あたしはそれに気づかないフリをした。
答えはちゃんと自分で見つけよう、と。
「ありがとうございましたー」
そしてその後、お昼のハンバーガーを食べ終わって、あたしと拓海くんは店を後にした。
外に出ると急に雲行きが怪しくなっていて…
あたしが空を見上げていると、拓海くんがそんなあたしの方を振り向いて言う。
「妃由、」
「?」
「あんま龍也と関んな」

