【完】狂犬チワワ的彼氏



「え、」



龍也くんのそんな突然すぎる質問に、思わずあたしはドキッとする。

まさか龍也くんが、そんなことを聞いてくるとは思わなくて。


…この前の海で、似たようなことを拓海くん本人には聞かれたけれど。

大好きだった中身は、結局拓海くんじゃなくて「龍也くん」だったってことがわかったから。



「……顔、かな」

「見た目ですか」



あたしは消え入りそうな声で、そう言った。



…あたしが、拓海くんを好きな本当の理由って何だろう?

何故か、直ぐには浮かばない。


そしてあたしが気まずく龍也くんから目を逸らすと、しばらくして龍也くんが言った。



「…では、アレですね」

「?」

「拓海さんの顔が好きだってことは、妃由さん的には俺でもOKってことですよね?」

「え、」

「恋愛対象として、」

「!!」



龍也くんはそう言うと、びっくりするあたしに向かって悪戯に笑って見せる。

その瞬間、あたしは少しの間独り混乱したけれど…



「っ…そ、それは違うから!」



やがてその言葉の意味を理解すると、慌ててそう言った。